先日は医療費控除について詳しく教えてくれてありがとう。
いえいえ、どういたしまして!
残念だけど医療費控除を受けるのは難しそうだ。
通常の医療費控除が受けられなくても、そちらを受けることができるかもしれませんよ?
今日はそこら辺を解説していきましょう!
セルフメディケーション税制とは?
セルフメディケーション税制とは、一定の医薬品を年間で1万2千円以上購入した場合に受けられる所得控除のことです。
従来の医療費控除は原則として10万円以上の医療費の支払いがないと受けることができません。
「そんなに医療費払ってない!」という方はセルフメディケーション税制が受けられないか検討してみましょう。
本制度の対象となる医薬品とはスイッチOTC医薬品のことであり、該当商品のパッケージには次のようなマークが表示されています。
ドラッグストアなどに行くと風邪薬などのコーナーで見かけることが多いですよね。
購入した際に発行されるレシートにも、該当商品を識別するためのマークが付されていることがあります。
(画像はいずれも国税庁ホームページより)
セルフメディケーション税制による所得控除の金額は、医薬品購入にあたり実際に支払った購入費の年間合計額から1万2千円を差し引いた金額です。
(最高8万8千円まで)
もし1万2千円を超えるようなら確定申告して税金を取り戻しましょう。
さて、このセルフメディケーション税制ですが大きな注意点がひとつあります。
この制度を受けるためには、申告者本人がその年において「健康の保持増進及び疾病の予防に関する一定の取組」を行っている必要があるということです。
一定の取組とは?
「一定の取組」とは、どのような取組のことをいうのでしょうか?
具体的には以下のとおりです。
1.市町村や健康保険組合などが実施する健康診断(人間ドック、各種健診など)
2.予防接種(インフルエンザワクチンの予防接種など)
3.勤務先の定期健康診断(事業主検診)
4.特定健康診査(メタボ検診)、特定保健指導
5.市町村が実施するがん検診
申告する人がこれらの取組をしていることが証明されてはじめてセルフメディケーション税制を受けることができるのです。
(注)これからの取組をしたことを証明する必要がある一方で、これらの取組のためにかかった費用は控除の対象とすることができません。
(ややこしいですね。注意!)
一定の取組を行なったことを明らかにする書類
さらに本制度の適用を受けるためには、「一定の取組」を行なったことを明らかにする書類を確定申告書に添付するか、提示する必要があります。
1.人間ドックなど各種健診の領収書又は結果通知表
2.予防接種の領収書又は予防接種済証
3.職場で受けた定期健康診断の結果通知表
4.特定健康診査の領収書又は結果通知表
5.がん検診の領収書又は結果通知表
領収書の場合は原本を添付しますが、結果通知表の場合はコピーでもOKです。
また診断結果は必要ありませんので、該当部分を黒塗りや切り取りをするなどして隠してから提出しましょう。
このように、対象医薬品の購入額合計が1万2千円を超えていたとしても、申告者本人が「一定の取組」を行なっていなければセルフメディケーション税制を受けることができません。
意外な盲点ですので注意が必要です。
まとめ
・セルフメディケーション税制とは、年間で1万2千円以上の対象医薬品を購入した場合に受けられる医療費控除の特例
・申告者本人がその年において「一定の取組」を行っている必要がある
・「一定の取組」を行なったことを明らかにする書類を確定申告書に添付等しなければならない
これに対してセルフメディケーション税制の適用者はわずか0.12%とのことです。(平成30年実績)
もう少し使い勝手を良くして、みんなが利用しやすい制度に改善していってもらいたいですね!
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