その年の売上高で判定すればいいんじゃないですか?
詳しく解説していきます。
基準期間における課税売上高
その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、その課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されます。(消法2、9、9の2他)
出典元:国税庁ホームページ
基準期間とは「前々年」のことを意味し、課税売上高とは消費税の課税対象となる取引の売上高を意味するのでした。
すなわち、2年前の売上高が1,000万円以下かどうかで消費税の納税義務が免除されるかどうかが決まります。
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基準期間はなぜ2年前なのか?
冒頭でヒトミさんが指摘したように、消費税の納税義務が免除されるかどうかの判定を、なぜ2年前の売上高で行うのでしょうか?
その理由は次のとおりです。
まず、消費税の納税義務が免除されるか否かは、その年の初日(1月1日)時点で確定している必要があります。
なぜなら、もし消費税を納めなければいけないとすれば、その初日に行われる取引から消費税を考慮した上で帳簿付け(仕訳)をしなければならないからです。
仮に令和5年に初めて消費税の課税事業者となる人がいるとしましょう。
その人は令和5年1月1日に行う取引から、その取引について記帳する際、消費税を考慮して仕訳をしなければなりません。
ですから、その準備をするためにも令和5年1月1日時点で消費税の課税事業者になることが判明(確定)している必要があるのです。
このように、その年の売上高を使いたいと思っても、これから始まることなので使えないのです。
1年前じゃダメなのか?
引き続き上の例で見ていくと、令和5年の売上高が使えないなら令和4年の売上高を使って判定してはどうか?というのがヒトミさんの指摘です。
しかし、これも同様に難しいのです。
令和4年の売上高が令和5年1月1日時点で確定しているでしょうか?
ほとんどの人は確定していないのではないでしょうか。
なぜなら、売上高は確定申告を行うことで判明するものだからです。
ご存じのとおり、確定申告期間は年明けの2月16日~3月15日です。
つまり、多くの事業者は年明け2月~3月頃になってようやく前年の売上高が確定するのです。
年明け1月1日時点で売上高が確定している事業者など、現実にはほとんどいないのではないでしょうか。
1年前の売上高も使えない (>_<)
だから仕方なく2年前の売上高を使って判定しようと。
そういうことです。
まとめ
- 基準期間における課税売上高が1,000万円以下であれば、消費税の納税義務は免除される
- 基準期間とは、個人事業者の場合は前々年を意味する
- 当年や前年の課税売上高を使って判定することができないため、やむを得ず前々年(2年前)の課税売上高で判定することになる
※本ブログでは説明を簡略化するため、特定期間における課税売上高等についての解説を省略しています。
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