今日はそのことについて教えてください!
以下で詳しく解説していきますね。
経過措置とは?
過去の記事では、インボイス制度をマスターするためのポイント3つを紹介しました。
今回はそのうちの3つ目である「制度開始後6年間は経過措置がある」について確認します。
まず最初に「経過措置」とはどういったものでしょう?
辞書を引いてみると次のとおりです。
特定の法律や制度や体制などから、新しく別の法律や制度や体制などに移行する際に、その移行中や移行完了後などに発生する、不利益や不都合などを極力減らすために取られる一時的な措置や対応などのことを幅広く指す表現
出典元:Weblio辞書
要約すれば、「法律や制度を変更するときに、不利益を被る人を極力減らすために取られる一時的な対応」のことです。
法律は多くの人を対象として作られていますから、法律改正をすると不利益を被る人が必ず一定数出てきます。
これは仕方のないことですね。
そこで、法律改正をスムーズに進めるためにも、不利益を被る人たちに配慮をして、ゆっくり時間をかけて少しずつ移行していきましょうという意味です。
経過措置はいつか必ず終わりが来るということを理解しておきたいですね。
インボイス制度の経過措置について、代表的なものについて以下解説していきます。
インボイス登録時の経過措置(免税事業者向け)
ひとつ目の経過措置は、消費税の免税事業者向けです。
免税事業者がインボイス発行事業者として登録する際の手続きについて、通常は「消費税課税事業者選択届出書」と「適格請求書発行事業者の登録申請書」の2枚の書類の提出が必要です。
ただし、令和11年まで(個人事業主の場合)は「適格請求書発行事業者の登録申請書」のみの提出で事足りるという経過措置が設けられています。
↓こちらの記事でも詳しく解説しています。
この経過措置があるために、インボイスの登録日(登録希望日)から課税事業者になれるという効果も発生します。(本来であれば「消費税課税事業者選択届出書」の効果は、提出日の翌事業年度の初日以降となるため)
仕入税額控除についての経過措置(買主向け)
次に買主向け、すなわち請求書を受け取る側が受けられる経過措置です。
免税事業者からの課税仕入れ(インボイスがもらえない取引)については、原則として仕入税額控除が受けられません。
ただし、令和5年10月1日から令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%、令和8年10月1日から令和11年9月30日までは仕入税額相当額の50%を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。
2割特例(消費税計算時の経過措置)
続いての経過措置は通称「2割特例」と呼ばれるものです。
これは消費税の納税額を計算する際に受けられるものです。
適格請求書発行事業者の登録を受けたことにより課税事業者となった免税事業者は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む各課税期間において、課税標準額に対する消費税額(売上等に含まれる預り消費税)の80%を仕入税額控除とすることができます。
だから「2割特例」って呼ばれてるんですね。
なお、この経過措置に事前の届出等は必要ありません。
実際に納税額の計算をしてみて、本来の計算方法と比較して有利な方をその時点で選ぶことができるのです。
2割特例を選んだ場合には、確定申告書にその旨付記します。
まとめ
- インボイス制度には経過措置がいくつか設けられている
- 受けられる経過措置は事業者の立場によって異なる
- 経過措置は一時的なものなので、将来的には受けられなくなるものである
また、これから新たな経過措置が出てくる可能性もあります。
国税庁のホームページ等で最新の情報収集に努めていただくようお願いします。
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