今回は個人事業者が青色申告承認申請書を提出する場合の注意点について書きます。
不動産貸付をしていた人が新たに事業を開始する場合など、ケースによっては少しややこしく混乱する場面もあるかと思います。
一から整理してみましょう。
青色申告承認申請書の提出の基本
個人の方が青色申告を受けたいと思ったら、税務署に「青色申告承認申請書」という書類を提出しなければなりません。
提出期限は原則として青色申告をしようとする年の3月15日までとなっています。
たとえば今年(平成31年)の申告は令和2年3月15日までに確定申告することになりますが、これを青色申告にしたいのであれば、平成31年3月15日まで(もう過ぎています)に申請書を提出する必要がある、ということです。
ただし例外があります。「その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日から2月以内」が提出期限となります。
つまり新しく開業した場合については、提出期限が3月15日までだと間に合わないケースがあり可哀そうなので、事業等を開始してから2ヶ月以内であれば認めてあげますよ、ということです。
たとえば5月1日に開業したとすると、その年から青色申告を適用したくても3月15日が期限だと手遅れになってしまいます。そのため提出期限を開業日である5月1日から2ヶ月後の6月末までにしてくれるのです。
不動産所得のある人が新たに事業を開始した場合
それでは以前から不動産貸付をしている人が、新たに事業を開始した場合に青色申告の取り扱いはどうなるのでしょう?
あらためて申請書を提出する必要はあるのでしょうか。
提出期限の前に、まず再提出が必要かどうかを確認します。
この場合、以前から行っている不動産貸付について、すでに青色申告しているかどうかで扱いが異なります。
- 不動産所得を青色申告していた →
あらためて申請書を出し直す必要はない。事業所得についても自動的に青色申告が適用される。 - 不動産所得を白色で申告していた →
青色申告にしたければ青色申告承認申請書の提出が必要。
提出することによって、不動産所得・事業所得ともに青色で申告することになる。
提出期限が異なるケース
次は提出期限について。
- 以前から不動産貸付(白色)をしていて新たに事業を開始する人 →
青色申告しようとする年の3月15日まで。
提出することによって、不動産所得・事業所得ともに青色で申告することになる。
- 不動産貸付や他の事業をしたことがなく、今回はじめて事業を開始する人 →
3月15日または事業開始の日から2ヶ月以内。
ややこしいですが「1.以前から不動産貸付(白色)をしていて新たに事業を開始する」方については「新たに事業を開始した人」に該当しないため注意が必要です。
たとえ年末近くに事業をはじめる場合であったとしても、申請書自体は3月15日までに事前に提出しておかないといけません。
ご注意ください。
なお、以前から事業を行っていて、新たに不動産貸付を開始した場合(今回の説明とは逆の場合)についても同様の取り扱いです。
事業と不動産貸付を読み替えていただくだけでOKです。
(この記事は個人の申告を対象にしております。また山林所得については敢えて除外しております)
まとめ
- 青色申告承認申請書の提出期限は、原則として青色による申告をしようとする年の3月15日まで
- 新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日から2月以内
- 以前から不動産貸付や別の事業を行っていて、このたび新たな事業を開始する場合は3月15日まで
編集後記
先週Powerpointのセミナーに参加してきたので、勉強も兼ねて試しに資料を用いながら説明してみました。
図をご覧いただいたことで多少は分かりやすくなったでしょうか?
余計に分かりづらかったでしょうか? (>_<)
今後もブログでいろいろとチャレンジさせてもらおうと思っています!
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