お仕事は順調ですか?
おかげさまで今年は利益が出そうです!
カフェ経営をしている友人から「4年落ちの中古車を買ったら節税になる」と聞いたんですが、これは本当ですか?
減価償却計算の基本形
個人事業主の方であれば、「利益が出た年に4年落ちの中古車を買って節税しましょう!」という話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回は、この真偽について詳しく検証していきましょう。
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事業用に車を購入したら、通常は固定資産として計上し、毎年少しずつ減価償却していきます。
ここで節税のポイントになるのは「購入した年の経費(減価償却費)をいかに大きくするか?」ということです。
そこで、まずは減価償却費の計算式(基本形)を見てみましょう。
このように、減価償却費は「取得価額」に「償却率」を掛けて求めます。
では、この減価償却費を大きくするためにはどのようにすれば良いのでしょう?
当然ながら、取得価額を大きくすること。
償却率を大きくすること。
のどちらかですね。
もちろん、両方とも大きくすることができればベストです。
では、取得価額を大きくするためには?
償却率を大きくするためには?
次章で詳しく確認します。
取得価額を大きく、償却率も大きく
まず、取得価額を大きくするために出来ること。
取得価額とは、購入金額のことです。
ですから取得価額を大きくするためには、なるべくお値段の高いモノを買えば良いのです。
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他方、償却率を大きくするために出来ること。
償却率とは、資産の耐用年数ごとに設定されているものであり、耐用年数が短いほど償却率が高くなります。
ということは、償却率を大きくするためには、耐用年数の短いモノを買えば良いのです。
定額法の償却率
耐用年数 償却率 2年 0.500 3年 0.334 4年 0.250 5年 0.200 6年 0.167 出典元:減価償却資産の償却率表
新車よりも、中古車の方が耐用年数(使用可能期間)は短いですから、中古車を購入することが節税の観点からは有効です。
ここで、新車および中古車の耐用年数をまとめると以下のとおりです。
・新車(普通車) 6年
・1年落ちの車 5年
・2年落ちの車 4年
・3年落ちの車 3年
・4年落ちの車 2年
・5年落ちの車 2年
・6年落ちの車 2年
・7年落ちの車 2年
・8年落ちの車 2年
詳しくは以下の記事をご覧ください。
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さて、ここであらためて考えてみましょう。
減価償却費を大きくするためのポイントは次のとおりでした。
すなわち、中古車を購入するにあたり節税効果が最も高い選択は、耐用年数が最短の2年となり、なおかつ値段が最も高いと思われる「4年落ちの車」を購入することです。
これが冒頭の「4年落ちの車を買うと節税になる」と言われるゆえんです。
注意点
最後に注意点をふたつ。
①償却方法の選択により償却率が変わる
減価償却の方法には主に定額法と定率法があり、どちらを選択するかによって減価償却費の計算(償却率)に影響を及ぼします。
個人事業主は原則として定額法となりますが、購入初期に高い節税効果を発揮するのは定率法です。
定率法を希望するのであれば事前に所定の届出書を提出しておく必要があります。
②減価償却の計算は月割計算が必要
減価償却費は月割で計算するため、資産を何月に購入したかによって計上できる金額が変わります。
たとえば年末近くの12月に購入したのであれば、その年は1ヶ月しか使用していませんので、計上できる減価償却費も1ヶ月分となってしまいます。
まとめ
・「4年落ちの中古車で節税」は正しい
・4年落ちの車は耐用年数が最短の2年になるから
・耐用年数2年の中古車のうち、最も新しいのが4年落ちの車だから
僕みたいな個人事業主でも活用できるんですね!
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