パート主婦にはいくつか壁があることが分かりました!
「103万円の壁」「150万円の壁」「201万円の壁」の3つですね。
なんとか付いていけるようにがんばりますねっ!
壁の細分化と前提条件
下図のとおりパート主婦の年収にはいくつかの壁が存在します。
これらをすべてをごちゃ混ぜに考えてしまうと混乱するので、細かく分けて考えていきましょう。
まず年収の壁には「税金の壁」と「社会保険の壁」が存在します。
さらに「税金の壁」は「妻にとっての壁(妻の税金に影響する壁)」と「夫にとっての壁(夫の税金に影響する壁)」とに分けられます。
今回は夫の税金に影響する壁(青色の部分)について解説していきます。
なお本解説の前提条件は以下のとおりです。
- ご主人(男性)が働いていて、奥様(女性)がその扶養に入っている
- 奥様の収入はパート収入(給与所得)のみ
- ご主人の合計所得金額は900万円以下
- 奥様の年齢は60歳未満
- 奥様は青色事業専従者等でない
103万円の壁(配偶者控除)とは?
妻の稼ぎは、妻自身の税額計算はもとより夫の税額計算にも影響を与えます。
これはどういうことでしょうか?
ある人(夫)が配偶者(妻)を養っているとき、養っている側の人(夫)の税金を軽減してあげましょう、という考え方が法律にはあります。
これが「配偶者控除」です。
配偶者(妻)を「養っている」ことが要件ですから、配偶者(妻)の稼ぎはある程度少なくなければいけません。
ここで登場するのが103万円、150万円、201万円の3つの壁です。
まず103万円の壁。
これは夫が配偶者控除を受けられなくなるラインです。
妻であるゆうこさんの年収が103万円を超えてくると、夫であるしんごさんが配偶者控除を受けられなくなってしまいます。
配偶者控除の金額は38万円であり、しんごさんの課税所得を38万円減少させる効果があります。
これが受けられなくなってしまいます。
150万円の壁(配偶者特別控除)とは?
続いて150万円の壁。
これは夫が配偶者特別控除を満額(38万円)受けられなくなるラインです。
「配偶者特別控除」とは、先ほどの「配偶者控除」を補完するもの。
配偶者控除を受けられなくなった(103万円を少し超えてしまった!)としても、急激に税負担が増えることのないよう設けられた制度です。
妻であるゆうこさんの年収が150万円を超えてくると、夫であるしんごさんが配偶者特別控除を満額(38万円)受けられなくなってしまいます。
逆に言うと、ゆうこさんの年収が150万円以下であれば配偶者特別控除を受けることができ、しんごさんの課税所得を38万円減少させることができます。
***
勘の良い方は気付かれたかもしれませんが、この効果は先ほどの103万円の壁(配偶者控除)とまったく同じです。
配偶者控除か?配偶者特別控除か?という制度の違いはあるにせよ、夫の課税所得を38万円圧縮できるという点に変わりはありません。
つまり夫の税金を考える場合、103万円の壁を気にする必要はなく、むしろ150万円の壁を強く意識しておくべきなのです。
201万円の壁(配偶者特別控除)とは?
最後に201万円(正確には201.6万円)の壁。
これは夫が配偶者特別控除を受けられなくなるラインです。
下図のように、妻の年収が150万円を超え201万円に達するまでの間、夫が受けられる配偶者特別控除の金額は少しずつ下がっていきます。
そして妻であるゆうこさんの年収が201万円を超えてくると、夫であるしんごさんは配偶者特別控除を1円も受けられなくなってしまいます。
この時点で妻は夫の扶養から外れることになります。
夫は配偶者を養うことで受けられていた恩恵(配偶者控除・配偶者特別控除)をまったく受けられなくなってしまうわけです。
***
このように妻であるゆうこさんの年収は、夫であるしんごさんの税金にまで影響を及ぼします。
ゆうこさんは自分自身の税金を管理するとともに、夫であるしんごさんの税金にも目配りしながら年収を調整していかなければなりません。
まとめ
・パート収入(年収)が103万円を超えると、配偶者が配偶者控除(38万円)を受けられなくなる
・パート収入(年収)が150万円を超えると、配偶者が配偶者特別控除を満額(38万円)受けられなくなる
・パート収入(年収)が201万円を超えると、配偶者が配偶者特別控除を受けられなくなる
主人の税金のことも考えて。
ママは本当に大変!
次回は社会保険の壁について解説しますね!
フリーランス(個人事業主)
会社員
年金受給者
の皆さまを対象に、税務会計全般のサービスを行っております。
税務に関してのお悩みがございましたら、まずはご相談ください!
どのサービスにしようかご検討中のお客様には「メニュー診断チャート」がおすすめです。